片思い中やこれからの出会いを待ち望んでいる女性には、感動して泣けるような恋愛小説は読むと心に残ることでしょう。思わず自分のことと照らし合わせてしまうような女性視点で刺さる小説の中から、おすすめする作品を紹介していきます。映画やドラマになった名作もあり、見た人ももう一度原作を読んでみるのも良いでしょう。

世代を超えて親しまれている恋愛ものの小説

村上春樹の5作目の長篇恋愛小説「ノルウェーの森」

年代を問わず、読者から愛され続けている恋愛ものの小説の中で一番のおすすめが、村上春樹の5作目の長篇恋愛小説「ノルウェーの森」です。映画化もされたこの作品は、主人公の学生時代から始まります。高校時代に親友が突然の自殺、大学生になりその親友の恋人だった女性と付き合いますが、父親の病気で悩んでいた彼女は姿を消します。彼女は、人生における本当のことを探しているのでした。

ノルウェーの森は、草原の風景が生きることの意味を教えてくれるような描写になっています。自殺や病気など常に誰かの死がつきまとう物語ですが、さまざまな恋愛遍歴などの中で鋭く突き刺さる言葉が印象に残るでしょう。また、この時代は日本中が安保条約で揺らぎ、学生紛争の真っ只中でしたが、登場人物は一切それに関わっていません。排他的な雰囲気の中で、ただ恋愛だけが、人と心を触れ合うためにあったような印象です。

ビートルズの「ノルウェーの森」

作品と照らし合わせて、ビートルズの「ノルウェーの森」を聴いてみると、さらに作品のイメージが膨らんでくるでしょう。
昭和の戦後間もない時代を生きる学生たちのリアルな生活、喪失から再生へ向かう頃に、残った人間の生き様を描いた恋愛小説です。

気軽な恋愛小説でおすすめの名作

森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」

キュートでホップな恋愛ファンタジーの名作を楽しむなら、森見登美彦の「夜は短し歩けよ乙女」がおすすめです。黒髪の乙女に想いを寄せる先輩が、彼女を追い続けるもなかなか気づいてもらえず、そんな二人に数々の珍事件が待ち受けるのです。

山田周五郎賞を受賞したこの作品は、不思議な魅力を持ち、一度世界観に入り込むと自分もその物語の一員に引き込まれてしまいそうな独特の面白さです。個性あふれる曲者たちや、先輩の想いに気づかず、頻繁に会う先輩に対し「奇遇ですねえ」と言うだけの彼女など、一人一人の人物像が面白く描かれています。ヒロインである彼女には、かなりのクセがあり、読む人にとっては得手不得手があるかもしれません。感動するような恋愛小説よりも、面白おかしく楽しめる恋愛小説と言っても良いでしょう。

田辺聖子の「言い寄る」

また、田辺聖子の「言い寄る」も、あまりロマンチック過ぎず、現実的な恋愛小説です。主人公の女性を巡り、言い寄ってくる男性やどうしても言い寄れない想いを寄せる男性など男女の駆け引きが楽しめます。今の人間関係に退屈していたり、新たな恋がしたいと思っていたりする女性におすすめの作品です。

甘く切ない、泣けるような恋愛小説

住野よるの「君の膵臓をたべたい」

恋愛小説は甘く切ない、泣けるような感動の物語がいいという人も多いでしょう。感動のストーリーで、読んだ多くの人が泣いたという小説の中でおすすめするのが、住野よるの「君の膵臓をたべたい」です。主人公の「僕」が、クラスメイトの山内桜良の秘密の日記帳を覗いてしまったことにより、彼女が膵臓の病気で、もう余命が長くないことを彼女の身内以外で知る唯一の人物になります。

僕は、桜良が死ぬ前にやりたいことに付き合うようになり、正反対の二人がお互いに自分の欠けているところに憧れを持ち、心通わせていきながら成長していく物語です。女の子が、自分自身を必要とされることで、たった一人の自分であると感じていくところは、女性には共感できることだと言えるでしょう。彼女は余命を待たないうちに命を落としてしまいます。

この作品は、映画化され、また2018年9月には劇場アニメとしても公開されます。映画を見て、原作も読んでみると、彼女の死から12年後の僕が母校の教師となり、彼女と過ごした数ヶ月を思い出すシーンや12年の時を超えて彼女が伝えたかった本当の思いが見る人にも焼きつくことでしょう。

大人の切ない恋愛を描いた小説

飛鳥井千砂の「タイニー・タイニー・ハッピー」

大人の女性が読んで切ない気持ちを感じる恋愛小説でおすすめするのが、飛鳥井千砂の「タイニー・タイニー・ハッピー」です。この作品は、東京郊外を舞台に、大型ショッピングセンターで働く男女8人の人間模様が描かれています。

オムニバス形式で、各話ごとに主人公が異なっていきますが、1話目で脇役だった人物が2話目では主役、1話目の主役がそこに脇役として登場します。つまり、一人の人物をいろんな角度から見ることができるのです。

タイニー・タイニー・ハッピーとは小さな小さな幸せという意味で、ありふれた日常の中で働く男女が恋に悩み、葛藤しながらも小さな幸せを手に入れていく物語です。

尾形真理子の「試着室で思い出したら本気の恋だと思う」

他にも、尾形真理子の「試着室で思い出したら本気の恋だと思う」は、恋に迷った時におすすめの一冊です。どこにでもいそうな30代の女性が、仕事への責任や友達が次々に結婚していき焦る気持ちに迷いを抱え始めます。そんな中、新しい服選びにセレクトショップを訪れ、店員さんが彼女の気持ちを汲んで本当に似合うものを勧めてくれて、彼女はそれに勇気をもらっていきます。叶わない恋もありますが、恋が成就するだけがハッピーエンドではないと教えてくれる素敵な物語です。

世界の恋愛小説に刻まれる名言の数々

恋愛小説の仲では、数々の名言が残されています。特に、世界各国の名作にはさまざまな恋愛にまつわる名言があり、人々の心に深く焼き付いていることでしょ
う。その中から、代表的な名言を紹介していきます。

「最高の愛は、魂を目覚めさせる」

「最高の愛は、魂を目覚めさせる」は、ニコラス・スパークスの小説「きみに読む物語」からの一節です。心に穏やかさを与えてくれるような言葉と言えます。
「誰かを愛することは、神さまの顔を見れたようなもの」とは、ヴィクトル・ユーゴーの「レ・ミゼラブル」の中のセリフです。「これだけは忘れないで」と男性が女性に語りかけているように伝えているのが、印象的な言葉になっています。

「完璧だからその人を愛するんじゃない。完璧ではないのにも関わらず愛するんだ」

「完璧だからその人を愛するんじゃない。完璧ではないのにも関わらず愛するんだ」とは、ジョディ・ピコーの小説「私の中のあなた」からの名言です。完璧な人よりも、自分が本当に魅力的だと思った人を愛するというのは、真実の愛に近いと言えるでしょう。女性としては、好きな男性にこのように想ってもらいたい言葉です。
恋愛小説の名言にあたる言葉は、それぞれに奥が深く読む人の心に刻み込まれると言っても良いでしょう。”

最新の人気が高い恋愛小説ランキング

2018年現在で、恋愛小説のおすすめランキングは次の通りです。

1位「君の膵臓をたべたい」

1位「君の膵臓をたべたい」先ほど紹介した作品ですが、やはり人気のようです。最初の数ページから引き込まれるような魅力を感じられます。まだ読んでいない人にもおすすめの一冊です。劇場版のアニメも楽しみという読者も多いことでしょう。

2位「僕は何度でも、きみに初めての恋をする。」

2位「僕は何度でも、きみに初めての恋をする。」沖田円原作のこの作品は、ストーリーが感動的で泣けると評判の人気作です。主人公の高1女子が両親の不仲に悩み、ある日優しくて不思議な雰囲気を持つ男の子に惹かれて、その後過酷な現実が待ち受けるという物語です。惹かれ合う二人がそれぞれに抱える悩みや苦しみを分かち合っていく、優しさに溢れたストーリーには涙することでしょう。

3位「マチネの終わりに」

3位「マチネの終わりに」芥川賞作家の平野啓一郎原作です。感動の恋愛小説として絶大な人気を集めています。出会った時から惹かれ合う二人ですが、彼女には婚約者がいました。スランプに陥る彼に、人知れず体の不調に苦しむ彼女とのすれ違いや途絶える関係。ただ一緒に居たかった愛し合う二人が別れなければならなかったという物語です。恋を忘れた大人の女性におすすめの一冊です。”